本当に暑い。
日中外を出歩くと、まるでトースターの中をあるいているような気分です。
本当に暑い。

ある日の夕飯後、夕涼みをしようということで、ドライブに出かけることにしました。

ちいさな黒島には観光名所というのはあまりありませんが、唯一の名所といってもいいくらい、いいなぁと思うのは伊古桟橋という古い桟橋です。300メートルくらい真っ直ぐに海に向かって続くその桟橋は、満潮時、干潮時、朝、昼、夕暮れ時、夜と、365日、違う風景が楽しめるのではないでしょうか。
夜はまさしく星の鑑賞スポットとなります。
ドライブ、と書きましたが、実はわたしはバイクで、そこまでにたどり着くのも不安だったので、後ろからは車でついてきてもらいました。

バイクで、そこまで飛ばしているわけではないのですがだれもいない暗闇を疾走するのはとにかく気持ちがいい。道中は街灯のない牧場道、たまに蜘蛛の糸にはひっかかりますが、まわりは180度の夜空。想像できるでしょうか。
桟橋に着くと、海に向かって一直線に伸びる桟橋の真ん中を、バイクでつっきります。視界を遮るものはなにもなく、ただただ星と、周りに広がる海のみ。桟橋はまるで宇宙に向かって続いているようで、そのまま夜空に吸い込まれていくような錯覚に陥りました。

そこは、涙がでるほど美しい世界。
風は心地よく、満点の夜空を見上げると、流れ星がつぎつぎと流れてきました。

どんなアトラクションよりも興奮する!とおもいながら。
しかしこれはなかなか体験できるようなものではないのかもしれません。晴れていて、月が新月に近いほど星がよく見えるようです。

そして静かに、ゆっくり海を眺めます。
夜光虫がいるよ、というのでじっくり目をこらすと、あちらこちらでキラり、キラリ、とひかっているのが見えます。そうしてゆっくり耳をすませてみると、魚が獲物を捕まえる時の波立つ音、ウミガメの息継ぎの音、カニが泡を吹く音、波の立たない桟橋周辺では、しずかな海からいろいろな音が聞こえてきました。

 

また違う晩、夕食を作るのに疲れたわたしはBBQの提案に二つ返事でOKし、道具を荷台に乗せて伊古桟橋にでかけました。

桟橋にすわり、夕日が沈む瞬間の、変化していく空の色を感じながらスタート。赤と青、ピンクと水色、その混じり合う色は、目に焼き付けるしかないのでしょうか。美しい夕暮れです。
徐々に海からの風も流れてきて、日中の灼熱の太陽で火照った体を冷ますのには、絶好です。お肉はもちろん、この地で育った黒島牛。野菜は石垣島で朝採れたばかりの新鮮野菜。
徐々に暮れていく陽。そして星空に変わる瞬間。

釣りをしたり、本を読んだりしながら星空を眺めるのも良さそうです。
家ではクーラーがなければやっていけないと思ってしまうのですが、外に出ると本当に気持ちがいい。人口がすくなく、また人工物も少ない黒島だからこそかもしれません。ちょっと隣の石垣島でもまた違うようです。
真夏はここで寝るのもいいなぁなんて考えていました。野宿は禁止されているようなので、ついつい眠っちゃった!程でいくのがいいかな。と悪巧み。

 

戦前に建設されたこの桟橋は漁業につかわれてたらしく、今では利用されてはいませんが、国の有形文化財に指定されているそうです。
1日1海。黒島の周りの海はどこも表情が違うので、できるだけどこかのタイミングでどこかの海を見にいくようにしています。きっと島民だけがしっている秘密の絶景スポットもあるはず。ゆっくり探していきたいと思います。
残念ながら夜空は写真に収められませんので、体験されたい方はぜひ、新月をねらっておいで下さいませ。