壁がすごいことになっているという記事をよんで、驚かれた方もいらっしゃるかもしれません。
宮城県出身の私としては幼い頃から地震になったらブロック塀からすぐ離れるようにと訓練を受けてきましたし(1978年に発生した宮城県沖地震でブロック塀の下敷きになって亡くなった方がいらしたため)、30年ほど前は街中にまだちらほら見ることのあったブロック塀も、いまでは残っているところはほとんどないような気がするほどに、目にする機会は少なくなりました。

ですので、ブロック塀と同じ構造かそれより脆い(ただ積み重ねただけの)構造の家を見て愕然としましたが、話を聞いたり各家庭の壁に注目してみてみると実際にはこのような構造の家も少なくないのがわかります。

それはなぜかというと、やはり台風への対策を優先しているのではないかという意見がありました。
地震より台風。
発生頻度の問題もあるでしょうか?直下型台風未経験の私ですが、直下となるとものすごいのだそうです。台風で家が崩れたというお話をこの短い期間で何度も耳にしました。
地震より台風。
だから、「地震がきたら庭に逃げろ」、もしくは寝る部屋は壁から離れた「一番座」という場所に寝る、というのがこちらの常識なのだそうです。

 

ここで、家の構造についてすこし触れておくと、八重山地方の家は基本的に南側に右から一番座、二番座、三番座、そして北側にそれぞれの裏座というのがあります。全ての襖を開け放せば、風が通る構造です。用途も決まっていて、一番座は寝室など家族で過ごす部屋、二番座は仏壇のお部屋。三番座は、お客様をお迎えする部屋ときかせてもらいました。

そしてアンガマの踊りの時には二番座にある仏壇が庭から見えるように三つ全てのお部屋の窓を開け放し、庭にやってきたチョンダラー(道化師)や踊り手達をお迎えすることになるのです。

全てが同じつくりではありませんが、この基本の間取りがあり、そこから使い方によってアレンジされています。
たとえば三番座がフローリングになってダイニングキッチンとなったり、仏壇のない家があったり、収納を増やして襖が開かない家ができたり。
私もまだいくつかのお宅しかしらないのですが、古い家はこの基本構造に則ってつくられている家がほとんどのように見受けられます。

 

そして話を戻すと、現在改装中の家もこの基本の間取りをアレンジした作りであり、構造材は現代的?(と言いますか、なんといったらいいのでしょうか)木造の古民家の造りではなく、最近の作り方で建てられた家、ということになるようです。それがあの、ブロック塀、というわけですね。

ブロック塀造りの建物におどろきが隠せなかったわたしですが、そうは言っても神戸(とくに店のあった岡本周辺)では4、5件が建つ敷地内に一軒の平屋と庭、という空間ですから、地震の際には庭にだって逃げられないことはないですし、いろいろ違う意味では安全だったりして(どんな意味でしょう、笑)恵まれているなぁと思うところも本当にたくさんあるのです。

このあたりは、まるで外国ね、と半分諦めて、島の常識は内地の非常識、内地の常識は島の非常識、わたしの常識はあなたの非常識(おお、怖い。)となって、少しずつ受け入れることを学んでいくのかもしれません。。

 

ウッドワックス塗りの修行

before

after

 

 

before ↑淵の上にちいさなヤモリの子供、見えますか?

after

最後の1週間はヤスリがけをしてウッドワックスを塗りこむ一手間が加わりましたので、大急ぎでやっていました。ヤスリがけの際には粘着テープの跡や落書き、いろいろな汚れも一緒に落としたりすることができるので、腱鞘炎になるようなくらい、意外とちからが入ります。

えーい!こうなったら、とことんまで付き合うぞ!と心の中で叫びながら、改装二ヶ月目、お世話になった家をあとにしました。