久しぶりに牧場の牛のことを。

牧場一 の甘えん坊「ももお」の出荷が、刻一刻と迫ってきています。
3月のせりに出されるのです。

 

ももおが生まれた時、お母さん牛のお乳が出が悪く、おっぱいを飲みつづけても栄養がとれずに瀕死の状態となり生後数日で急遽人工授乳に切り替えました。当時のももおは、か細くて、ちからも鳴き声も弱々しかったのをいまでも覚えています。
人工授乳が始まるとなるとTさんが出張などでお乳をやれないときには私の出番となり、まだ牧場仕事になれない時でしたので緊張しながらミルクをあげることとなりました。

ももお はみるみるうちに元気になり、体格も立派に育っていきました。
私たちを見つけるとはしゃいで牛舎のなかを右に左に駆け巡り、哺乳瓶を加えたら力強く吸い続ける。その眼差しはまるで本当の親でもみるかのような目です。離乳の時には寂しくて、私たちの指をチュウチュウと吸っていました。
とにかく懐いてくれたももおは、牧場に行くたびにこちらの姿をみるとスキップなのか、大興奮。近くに寄れば顔から体から舐め回す始末。私も、朝一番には声をかけ、体をさわってあげることが日課になりました。忙しくて構ってやれないときには寂しそうな目でこちらを見続けるももお。
牧場に馬のヴァイノがやって来てからは、私がヴァイノの行動に慣れずうまく接することができないでめげそうになっていましたが、その後にももおのところに行けばたっぷり甘えてじゃれてくれるので傷付いた心はいつも癒されていました。牛の姿をした天使のようです。

島に遊びにきてくれた友人にも、やさしくて甘えん坊のももおは常に大人気。
お母さんは群れの中でもナンバーワンの元気なお母さんのため、ちからも強く立派に育つだろうと予測していましたが、何度かの怪我も克服して、いまではすっかり立派な子牛に。

ももおがセリに出されて以降のことは想像がつかないくらい、私にとって大きな存在になりました。しかし、男の子は飼い続けることができないのが繁殖農家の辛いところ。
あと数日間ですが、ももおとの時間を楽しもうと思う近頃です。