黒島には、歩いているとコンクリートの塊のような古い建物の痕跡を見つけることができます。

私の住んでいる仲本の集落には、Tさんのおじいさんの時代に建てられた馬小屋や、たばこ小屋などがひっそりと残されています。過去の生活の様子をうかがい知ることができる貴重な遺産だとは思うのですが、どれもこれも塩害や自然の侵食により鉄骨の腐食が進んでおり改装することすら不可能な状態とのこと。この地に移り住む前にはこれらを改装して美しく蘇らせれたらなぁと夢見ていた私・・・。今となればそれも叶わぬ夢だと知ったわけです。

夢だとわかっていても、まだ、目の前にはあるので、時々散歩の途中に覗いてみては美しいなぁ、と眺めています。

3年前。写真の、この元たばこ小屋を見た時にふと思いました。ここが美術館になったら美しいだろうなぁ!

一階と二階の間には床があったのでしょうか。今は吹き抜けのようになっていて、屋根も落ちています。建物を覆う蔦が美しくかぶさり、天井からはキラキラした光の影。

小さな窓。

床面積は2坪ほどの、小さな美術館。

ここに、SEENAT CERAMICSの作品を並べたり、絵画を一つだけ飾る。なんていうのも良いなぁ!

 

天井は今開いている状態をそのままに、内側に補強のための鉄骨を組んだらガラスの屋根をつけよう。

夢はどんどん広がっていきます。

他にも、ガジュマルの根っこが絡みついたコンクリートの建物(イメージはアンコールワット?)や、太い丸太を組んだ大きな半屋外の倉庫など、夢が広がる建物は実は結構あります。
それらはすでに内部の鉄骨が錆びてしまい植物たちが覆いかぶさっているのですが、またその朽ちる感じと自然の共存が美しさを増殖させているようにも思うのです。崩れるのを待っているだけの感じが、とても残念なようにも思います。

この島で今このような建物を建てるとすると、たくさんのお金をかけて外から業者さんを呼ぶか、自分たちでコンクリートブロックを積んでと、とても大掛かりなことになるのですが、これらが建てられた時代はもう少し人口も多く、大工さんも島にいたことから、もう少し建てることもハードルが低かったのかもしれません。(そうは言ってもやはり高いお金をかけて作られたのではあると思います。)

いつか取り壊されてしまうその日まで、古代遺跡のようにいろいろな夢を見させてくれそうです。