昨日はサンゴのリーフのさらに先の海まで歩いて行ける4ヶ月に一回の大潮でした。
夕飯を終え、少しだけ休憩して夜中11時半に家を出発。

真っ暗闇の海。ヘッドライトをつけて海の中を歩いていきます。頭上には星。
Tさんは海釣り。私はサザエの捕獲担当です。シャコガイがいたらこれで剥がしてね、と渡されたハンマーがあまりに重たすぎてブーブー文句が止まらない私。

少し歩くとサンゴのリーフに到着しました。リーフは毎日の潮の満ち引きでも海から顔を出している部分。黒島の航空写真などを見ると島の周りに白く輪っか状になっている、アレです。浜辺から海を見ていると大きな波が当たる場所がリーフで、その内側にはほとんど波が立たないのがサンゴの海なのですが、リーフの外は断崖絶壁の深海です。ここからは、足を踏み外したり波にさらわれたりしないように注意しながら、岩陰にいるサザエを探していきます。

実はこの大潮の漁。2年前に初めて漁(とは言えませんでしたが)に出て、ブログにも書いたことがあるので覚えている方もいらっしゃるでしょうか。私は獲物よりも何よりも、生きたサンゴの造形美に目を奪われ、そればっかりを追いかけていたのですが、今回も何よりそれが楽しみでした。

ビビッドオレンジとパープル、モスグリーンとイエローなどの鮮やかな色のコラボレーション。真っ赤と白のコントラストが奇抜なサンゴは複雑な造形です。ヌルッとした形のヌードベージュのサンゴはちょっとエロティックな印象・・!
目の前の闇に忽然と現れる色と造形の衝撃は、まるで海のパリコレです。
島に来てからまだ一度も本格的なシュノーケルをしたことはありませんが、ここは黒島の(八重山でも有数の)スポットでもあるようで、そんな、普段は海の中にある色とりどり形とりどりのサンゴが目の前に現れてくれるという貴重な現象の夜なのです。

海の中にポッカリと開く大きな湖にはコバルトブルーのグラデーションが美しく、満ち引きと共に流れる水はまるで川のせせらぎのよう。海の中に小さな山間部のような岩壁が現れたり、その中では見たこともない甲羅を纏ったカニや目だけしか見えない小さなエビ、綺麗な色の魚などいろいろな生き物が動いています。地球を天国から眺めている神様になった気分。
いいや、神様ではありませんね。巨人。なんだか、お邪魔して申し訳ない気分でそぞろそぞろと歩きます。

寝ている魚も横になってぷかぷか波に揺られています。可愛いなぁ!

ウツボも気持ちよさそうに泳いでいます。

綺麗な石!と思って拾い上げたら、ピンク色の不思議な丸い形をしたヤドカリでした。持って帰りたい〜と思いながらも、住人がいるならということでNo捕獲。

あ!サザエ発見!これはかなり大きいぞ〜っ なんて思って岩から剥がしてみたらこれも大きなヤドカリでした。

ようやく目が慣れてきた頃に、潮の引きに出遅れた小さなサザエとその対岸の岩場に一つずつ発見。そして少しするとまた一つ、大きなサザエ発見!

気分が乗ってきたところで、目指せ大漁〜〜!!!と意気込んだものの、予想より潮の引きが少なくその後は断崖絶壁近くはほぼ近寄れず、、結果、私とTさんで合計5つのサザエ捕獲。もっと先へいきたかった、、、もっと捕獲したかった。。。と、終わってみると悔しさが残るのでおかしくなりました。

 

捕獲の最中は海の生き物の邪魔をして申し訳なくなりますし、捕獲したサザエだって、ここで生きていたのにホンマにごめんなさい。なんてことを思いながらでしたが、これは一つの気づきにもなりました。
捕獲から口に入るまでの工程を知るからこそ感じること。店やスーパーでならお金を払うことでいただけますが、実際には自然の生きためぐみをいただいているのだと気づかされます。

昔の島の人は魚介類の漁で今より何倍もの人口で暮らしていたと聞きます。昔の人にならって自分たちもその体験をすることで、生き物にとっていい海を守れるようにと自覚を持てるようになるのかなと思います。島の子供達もきっと、こんなふうに自然と自分たちの暮らしとの共存を経験しながら成長していくのかもしれません。

 

そんなことを考えながら、2時間ほど海の上を歩きっぱなしで気がついたら相当足もとがもつれてヨタヨタ。疲れた身体に、珊瑚色のサザエを抱えて帰りました。

今宵は庭で、自然の恵み、サザエの網焼きを美味しくいただきます。