今の家の改修は、予算はもちろんのこと専門の業者さんがいないために大きな改修は行うことができませんので、自分自身でできる範囲のことしか手をだせていません。

例えば、住みやすいようにとこれまでの住民の方々がその時その時で付け足してこられたものを撤去したり、最低限必要なものをつけるくらいのこと。窓枠を変えてみたり、造作したりなどのアイディアも湧き出てきますし、構造をやり直したらどんなに楽かしらなどと思う箇所はあっても、なるべくそこまでは想像を膨らませないように気をつけています。なぜなら、全部自分で手配、施工の手間と時間を想像しただけでくらっときてしまいますから。

 

その制約のなかで、古いものと新しいものとを調和させつつ、たくさんの人の思いが込められて作られた当時の、もともとの造りをなるべく生かした家にしたいと思いながら頑張っています。

しかしどうしても必要でありながらもそのまま使うことができないものに関しては、予算の範囲内で、そして自分たちの可能性を試せる範囲で、思いっきり納得のいくものを作ろう!という気持ちでスタートしました。

それが、キッチンの空間と、そして、未だ牛歩のあゆみプロジェクト中のお風呂場なのです。

 

思い起こせば2年前の8月。
改装のため各種素材選びと同時に家電選びが始まりました。キッチンの空間全体を考えるにあたっては、換気扇やガス機器の制約なども検討し、そこに設置するものや、家電のイメージも考える必要があったからです。
しかしそこにはやはり離島ならではの難しさが何重にも積み重なっていたのです。

 

冷蔵庫は、性能、価格面、運び込む時の重量(船から降ろして運ぶのも自分たちです)などから考えて国産に。まだ暑い時期にお借りしていたものが突如壊れ、迷っている暇がなかったことから石垣島の量販店で購入。まだまだ空間イメージが固まっていないときでしたので悩みましたが、今となればよい選択だったのではと思っています。色は抑え気味で、前面がフラットなTOSHIBAの冷蔵庫です。置き場所は限定されますが(なるべく目立たない位置に設置。)国産家電の手軽さ、軽さを存分に享受しております。

 

食洗機については、これまで家電のなかでも特に縁のないものだと思っていました。だって、、、私には大事な大事な食器や、木製の道具も多いし〜。なんて。。。
しかしこれから住む場所は、外食の機会がほとんどない離島暮らし。仕事との両立と毎食自炊のことを考えると、食洗機の果たしてくれる役割がどんなに大きいものだろうと考え、導入を検討することにしました。こちらも今となっては、アリ対策、高温多湿の環境での食洗機のはたしてくれる役割が想像以上に大きかったことに気づき、大正解だったなぁ!と毎日のように感謝しながら使っています。

 

そしてこの家には、洗濯機の設置場所の課題がありました。
もともとお風呂場として後付けされた空間には、浴室スペース、トイレ、洗面スペースを木の衝立で分けられていました。小学校のトイレを思い起こさせる空間です。暗く、狭くて冷たいイメージ。その浴室スペースの一角に洗濯機が設置されていたので、はたしてこれまでの洗濯槽のカビはいかほどだったことでしょう。

もともと国産の家電の佇まいが苦手だった私。買付けの際 海外のお宅の家電を目にするたびに、海外にはこんなにも空間に馴染んだ家電や美しい形の道具があるのにもかかわらず、なぜ日本では機能性重視ばかりで美しさがないのだろう?思っていました。 欲しいと思えない機能ばかりがついたピカピカのもの。いくら新品であっても、使わないときは隠したくなります。幼い頃の家電のほうがよほどシンプルでかわいらさもあったはず。たとえ、このワンフロアに展示された数々の製品のなかから、どれを選んでもいいんだよ!なんて言われても、う~~ん。。。欲しくないのに必要だから買う、というのは私のしょうにはどうもあいません。
どんなに素敵な空間であっても、国産の家電が入ると一気に違和感が出てきたりします。特に洗濯機は、その最たるもののような気がしていました。

そこで、思い切って洗濯機は海外製にして、キッチンの空間に配置してみてはどうだろう?と検討が始まりました。

 

 

キッチンの中心となるワークトップのイメージは、やはりこちらの気候である高温多湿、アリ対策などを考えて、なんとなくですが、ステンレスのガスコンロまでフラットなものをイメージしていました。ですのでガスコンロははめ込み型。日本で制作されている海外メーカーデザインのものが候補として絞り込まれ、実物を見るために展示場に足を運んでみました。
しかし展示場では「果たして離島では、はめ込み型は設置できるのか?」という疑問が浮上。施工者がいない場所では、法律上ももちろんのことながら、技術的にもつけられないのではないか?とのことなのです。そっか。離島には水周りや電気周りの設備工事のひとすらいないのか!以前経験した何度かの現場工事立会いの際には、電気は電気工事屋さんが担当して、お風呂や水道回りにはその専門の方がいらしたのを思い出しました。

メーカーに問い合わせしてみてもわからず、だれに何を聞けばいいのかわからない、文字通り、手探り状態。ガスの元栓の形状、設置の際の話、島のガス担当者の技術、など、想像と現実問題を行き来しながら翻弄され続けていました。
しかし最後の最後に追い打ちをかけるように発覚した事実は、、、沖縄本島にようやく見つけた代理店によると、なんと、「故障の際メンテナンスに行けない離島には販売していません。」とのこと。

販売しない!?

今の日本に、そんなことってあるの!?

 

・・・ガス・ワークトップ一体型キッチンの夢が、あえなく崩れ落ちた瞬間です。

島にはまだ完全に移り住んでいない時のことでしたので、離島の不便さという現実を突きつけられたように感じて愕然としたと同時に、できないなら諦めて違う方法を考えられるという安堵感(+疲労感)で少しほっとしました。

実の話、メーカーの代理店を通さなければ、通信販売で購入するということも可能ではありました。しかし、いくらガスコンロといえど安い買い物ではありません。輸送中の故障のことや、購入したところで結局施工ができなければ使うこともできません。
どこまで続くかわからない迷い道からぬけて、「振り出しに戻る」がでたような気分。誰に聞けばわかるのか、それすらわからない。ゴールの見えない先を求めることは諦めて、潔く置き式コンロを探し、ワークトップはガス台分離を決意すこととなりました。

 

 

食洗機や洗濯機は沖縄本島に代理店があったため、そこで手配していただくこととなりました。
もう、みなさんお分かりですよね。まず第一の確認事項は、

「離島ですが、購入可能でしょうか?」

 

 

こうしてスタートした、離島のキッチン空間作り。

その後、出張費や送料がえらく高くついてしまい驚くこともたくさんありました。しかし、販売してくださる、設置してくださる、ただそれだけで感謝。

・・・だなんて、私もずいぶんと丸くなったものです。

 

 

 

(次回、「食洗機と洗濯機の設置について」 きっと、つづく)