急ピッチで終えた、ギリギリ・キリキリの事前準備に一抹の不安は覚えつつも、いよいよその日がやってきました。
食洗機と洗濯機の設置の日です。

設置してくださる IMIコーポレーション・Miele沖縄代理店のお二人はその当日の朝に、沖縄本島からやってきてくださいました。
飛行機で一時間。石垣空港についてからは、バスで40分。離島ターミナルから船に乗り、約30分。10時には黒島にお見えになりました。
石垣島までは今回のような商品の設置のために数回来られたことがあると伺っていましたが、今回、離島は初めて、とのこと。
え〜! もしかして、日本最南端の設置ですか〜! てへへ

 

ということで、早速まずは、設置現場を見ていただきます。

 

緊張が走ります。

どうですか・・・? 無事、事前準備はできていますか・・・??

すると、配管の所でやはり私たちの予想していない不備がありました。しかし後日また自分たちでの付け替え可能な場所だということで、一応ギリギリ、セーフ。
ふ〜〜〜〜〜っ!

 

本日の主人公である食洗機、洗濯機のご両人は、貨物船にて2時ごろに到着予定とのこと。そこから港から運搬、設置し、試運転。使用についての説明などをしてもらって終了。最終の17時30の船に乗って帰路へ、という段取りということですが、こちらも結構ギリギリな感じのスケジュールです。

簡単な説明や事前工事を終えると、お昼と、すこし時間に余裕もあるので黒島のパリ・cafe iconomaにも寄って、よければドライブでもして黒島をお楽しみください〜。ということになりました。

しかし2時になっても船到着の気配なし。
3時、、3時半、、いよいよ焦ってきたお二人。
もしかすると、これはちょっとやばい!?

 

しかしそこはさすが営業さん。僕だけ、泊まりも考えて、簡単な宿泊の用意は持参してきました。とのこと。

貨物船が到着し、そこからお二人で配送をしてくださいました。
庭に到着し、梱包材を解き、そして家の中へ。100kgの鉄の塊を、「軸がブレないように」運びます。いつもなら自分たちでやる必要のある作業ですが、ここは、プロにお任せして。。。

 

と、運び込んだその瞬間、突然、嵐のような雨が降り始めました。

スコールです。

 

ほ〜〜〜〜〜っ!!!!

 

運び込むまでに、雨が降らなかったのが奇跡です。
黒い雲さえも目に入っていなかったのでしょうか。しかしラッキーとしか言いようがありません。

そこから、雨音の強まる熱帯雨林の中、職人さんたちの無言の格闘をただ黙って見つめる私たち。時間との戦いでもあり、離島なので、より丁寧な仕事をしておかなければという意気込みが伝わってきて熱くなります。

そして試運転。

しかし、試運転は最長のコースをしてくださるようで、結構時間がかるものですね。結果、施工さんのみギリギリで最終便の船に駆け込み帰路へ。営業さんはそれを港で見送り、宿泊ということになりました。

 

 

しかしそのおかげで、営業さんとの夜が、また思い出深いものになったのです。
近くの宿に宿泊の手配をしてから先に夕飯、その夜は、再度自宅にきていただきお話をする機会に恵まれました。
雨上がりの、シンとした、なんだか不思議な夜でした。

営業さんの所属している株式会社 IMI CORPORATIONは、沖縄県那覇市にある設計会社です。沖縄本島で素敵な建築の数々を手がけられていらっしゃいます。離島では夢のような空間に惚れ惚れしながらそのHPを覗いていました。

営業さんはもとは内地の方。建築士として沖縄で働いているときに今の上司と出会い、一度は内地に戻るも、海外製品の代理店になるにあたり引き戻されての現在ということでした。
彼のお話を聞いていると、MieleやGAGGENAUの製品を使いたい、というお客様とのやりとりの会話が本当に幸せそうなのです。ああ、自分たちの扱っている物や事に惚れ込んでいるひとの話は、いつだって面白いなぁと思いました。
そういえば、私がGAGGENAUの食洗機を教えてくれたのも、目をキラキラさせて製品の話をしてくれた女性の設計士さんでした。(そのときはわたしの中に一切食洗機という頭がなかったのに、その後180度思考が変わってしまうのですから、その人の製品に対する惚れ込みようは相当だったのだと思います。)

そういう方たちを通して素晴らしい製品に出会えることも、また幸せなことです。

日本製と違って、「メンテナンスは一切無〜〜し!」というのはなくて、一ヶ月に一回は空運転、とか、ゴミはこまめに取る、とか、その度に指に当たって痛い部分がある、とか、結構手間もかかったりするのですが、それがまた楽しい。惚れ込んでいれば、案外なんでも許せちゃうのは性格的な問題でしょうか?
(その代わり、惚れていない場合の一切許せない感じは、自分でも怖いくらい。。それはこの際、置いといて。。。)
家電がすこし人間らしいというか、やってもらって当たり前じゃないよ、という暗黙の了解というか、人間と機械の共存というか。。。使っていて楽しいと思わせてくれるというか。

それが、使用者(購入者)の側にも 手配者側(販売者)の側にも、共通言語のように存在している気持ちだから面白いなぁと思いましたし、これから使う私にとって、これから一体どんな日々がまっているんだろう?!と、まるで猫たちが家に来てくれたときのような感覚だったことを思い出します。

 

さらには、わたしのお話も聞いていただきました。

一年前の自宅は、まだまだ荷物もダンボールの中にしまわれているような時。改装も進んでおらず、ブロック壁は剥き出しのまま、塗っている壁も途中まで、家中あちこちに作業の道具と荷物が山盛りの状態でした。しかしそんな中でもKameli apartmentで使われてきたガラスの棚や扱わせていただいていたオブジェなどを目にして興味を持ってくださったようで、改装中の悩みを聞き励ましてくださったのでした。

私「実際にここに来てみて、綺麗にしたい、少しでも気持ちよく暮らしたいと思うのですが、どうも、素材も、工法も、これまでの理屈ではうまくいかないのです。もちろん素人ということもあるので圧倒的に知識不足だとは思いますが、だからと言って業者さんに頼むことすらできません。(石垣島はいま建築ラッシュのため、業者さんにお願いしたら1年先、それ以上になると言われています)」

自分たちでやる気があっても、知識の情報源がなさすぎて前に進めることができない。そんな中で専門の知識のある方に少しでも聞いていただきアドバイスをいただける機会はとても貴重でした。

 

そう、この離島で改装するにあたり、人口の少ない場所で生活するにあたっての一番の不便は、聞ける人がいない。ということかもしれません。
素材を購入する際にも、その素材に詳しい人がいない。その素材を使ったら、どんな風になるのか?それはこんな場所にも使える?湿気が多い場所にはどうしたら?そんなことを聞きたいのですが、石垣島にあるホームセンターでは質問もでなくなりました。

そしてもうひとつ、DIYの概念がすこし違っているかもしれません。

この地方では、どうしようもなく、自分たちでやるしかないから、最低限の対処で、よくあるやり方で、やるのがDIY。
おそらく私が求めているのは、より心地よく暮らすためのアイディアを実現するためのDIY。
質問しても返ってくる答えは前者の答えなので、「そういうことを聞きたいのではないんだけどなぁ」と結局あきらめ、インターネットや本の情報を調べ倒していく方法にしかありません。しかしそれではらちがあかないばかりではなく、結局この環境にあう方法という答えにはたどり着けないのです。
自分でやってみるまでわからない。

 

しかし、この日の夜のように、こんなことを声に出していればいつか同じようなことを考えてる人にも出会えるかもしれません。やってみながら、すこしずつでも自分の思いを形にできるようになっていきたい。時間を重ねていきたい。そんな勇気を与えてもらえた夜でした。

 

お話をしている間に、試運転が終了。無事設置完了の運びとなりました。

次の日の朝、近所の宿で朝食を終えて近くの海まで散歩に行ってきたという営業さんは、なんだかちょっと清々しい表情でした。夜は月明かりのみ。周りが真っ暗になる黒島では、動物も植物もみんなが一斉に眠ります。都会の沖縄本島では感じることのない充足感だったのかもしれません。
そして、港までお見送りにいきお別れを言った後、営業さんは帰路へ着かれました。

 

 

 

一年前を思い出しながらこの記事を書いていて、改めて、よく設置までたどり着くことができたなぁと思います。これらは全て私の希望から始まったことですが、T氏が決断してくれ、その都度その都度良き理解者、協力者がいたからこそたどり着けた今です。
タイミングを逃し、書き溜めていた文章を出せないままでしたが、今回、加筆を重ねて読んでいただけるまでにできたのは、この間 声にならない私の叫びを聞き続けてくれた埼玉の友人Yと、そのお友達のおかげです。つい先日黒島にやってきてくれた時、彼女がまるで自分が体験したストーリーさながらに熱く、この改装の詳細をお友達に伝えてくれている姿をみて、なんだかとても嬉しくなったものです。
ここの場所で改装や空間をつくることにも意味があると、信じてはいるものの、挫折の連続で前に進めない日もあります。この体験を綴ることは、この先わたしの糧になると思わせてもらいました。

また、物事にはタイミングも大事ね。ということも教えられました。
今手がつけられないものも、もしかしたら今じゃない。明日かもしれないし、10年後かもしれない。ただ、分かることは、今じゃないということ。

逆に、今でしょ!ということもありますよね。
食洗機や洗濯機を設置して一年経った今思うのは、もし離島の事情がわかってきた今からの設置であれば、おそらく決断はできなかったかもしれないなということです。何もかも無知だからこそ進めることができたと言っても過言ではありません。
そのタイミングわかりやすいのも、この環境であるがこそと気づかされました。

 

そんな数々の思いや奇跡が結集した離島の食洗機と洗濯機。

島の歴史的記念物・・・とは、ならないですが、(笑)
島にお越しの際には、その凛とした佇まいをよろしければご覧ください。

なんちゃって。

内地にいれば、いくらでもご覧いただけるものですね!その点、どうぞご注意くださいませ。

 

 

完。