いつもKameli apartmentにお心をお寄せいただき、誠にありがとうございます。

突然のお知らせとなりますが、Kameli apartmentは6月18日をもちまして、店仕舞いをさせていただくこととなりました。

 

このお店は、2012121日、岡本の古いアパートの一室にオープンさせていただきました。
まだ付近にはお店のなかった頃、路地裏のアパートの奥にあるこの場所はとても入りづらく、はじめの頃は1日にひと組、ふた組ほどのお客様。覗いてくださるのには勇気がいったことだろうと想像します。
やがて、口伝えでのご紹介のお客様も増え、商品のつかい心地を気に入っていただくお客様が増え、そうして買付けやイベント時にはまだ見たことのない品を楽しみに、たくさんのお客様が足を運んでくださるようになりました。

4年半という長いようで短い期間ではございましたが、この場所に集まってくださるお客様と生産者、近くや遠くでご協力くださってきた方々、そしてこの場所を店として快く使わせてくださった近隣の方々、数え切れないみなさまのおかげで、これまで続けさせていただくことができました。
日々の中ではいろいろな葛藤もありましたが、迷った時、お客様に勇気を与えてもらったことは数えきれません。悩んだ時は、店の先輩たちや仲間たちに支えられました。
みなさまのおかげで、こうしてここまで続けてこれたと心から思います。みなさまには感謝の気持ちで一杯です。
本当に、ありがとうございました。

 

 

店仕舞いをしてからは、生活の拠点を神戸から離島へと移します。場所は、日本の南の果て、沖縄県八重山諸島の黒島という小さな島です。

黒島は、人口200人、牛3000頭、面積たった10k㎡ほどの小さな島です。肉用の牛の生産を中心とした島で、観光地化された島とはまた違った魅力に溢れた場所でもあります。
山のない黒島では180度に広がる夜空に天の川が見え、鳥や動物たちが自然と共に生き、日々刻々とうつり変わる海の色にははっとさせられることもあります。伝統芸能やお祭りも盛んな島だと聞かせていただいております。

初めて訪れた時、海外で見た風景を思い出しました。バスで通った国境あたりの大草原。牛や馬が草を食む風景。草のロールが所々に点在した景色。心細さのなかに、期待が混じった感覚。
こんな場所が日本にあるんだ。と、思いました。知っているようで、まだまだ知らないことが、たくさんあるんだなぁと。

そこには昔ながらの日本のよさ、窮屈さ、いろいろな側面があるようにも思います。しかし島の住民が協力しあって島を守りつつ、一人ひとりが輝いているようにも感じられる、不思議で、生き生きとしていて、なんだかおもしろい島です。
私自身は湿気とか、暑すぎる太陽とか虫がとても苦手だったり、北国にばかり出張に行っていたのであまりにも南の島は予想外の場所?のような気もしていたのですが、ご縁があり何度か訪れているうちに、そこに暮らす人々や動物たちの自然と調和した生き方もまた、今の私にはとても自然な流れで、その場所で暮らせること自体、とてもありがたいことなのかもしれないと感じるようになりました。

振り返ってみると、私自身、店を始めた当時からの思いはほとんどかわっておらず、むしろ実感を得てさらに自分の役割が明確になってきたようにも思います。

離島では、便利な都会では考えもつかないような難しい課題がでてくる場面もあるかもしれません。しかし、なんでも便利な時代だからこそ味わえる不便。不便だからこそ手間や時間をかける楽しさも、もしかしたらあるかもしれません。いまの日本の都会の暮らしではなかなか味わえないことを経験していけたら、などと思っています。 
人やビルに囲まれた場所で一心不乱に駆け抜けるという経験ができたからこそ、ゆっくりとした空気の中で、呼吸を整え、何かを作り出したりすることが、今の自分には必要だと感じています。

 

手織りのバッグやラグなどラトビアやリトアニアの生産者のご協力の元に作らせていただいているオリジナル商品の生産は続けていこうと考えています。これまで頭の中にあった構想を、少しずつ形にできればと思います。

国内の生産者の方々はもとより、買付けの中で出会った海外の生産者とのご縁は私にとって大きな財産となっています。その方たちのご協力を得て 今後も少しずつではありますが、場所や人、技術や伝統をご紹介していくこと、それはこれまでも、きっとこれからも私にとっての生きがいであると感じています。

 

 

 

閉店日が日々迫ってくるため、直接ご挨拶をする前に発表させていただくことになりました方には突然のご報告となり失礼いたします。

今後の商品の入荷や、カレンデュラクリームの購入方法など具体的なお知らせは、追ってこのブログでお伝えしていく予定です。

伊東かおり写真館は、当店 最後のイベントとなります。
4年目となる伊東かおり写真館は毎年ご盛況をいただき、継続してくださるお客様も回を重ねるごとに増えてまいりました。
岡山の高城染工さんにインディゴに染めてもらった背景の布とKameli apartmentに差し込む春のやわらかいひかりが溶け合い、かおりさんが撮るフイルムカメラの音が心地よく店内に響き渡ります。当店では最後の写真館となりますが、伊東かおりさん自身はこれからも写真家としてポートレイトの活動を続けていく予定です。

撮影はご予約の方中心ではありますが、店内はご自由に入店可能です。期間中も店内商品はご覧いただくことができますので、どうぞ遊びにいらしてください。

 

 

この決断に至るまでには時間がかかりました。この場所を大事に思ってくださっている方がいることを感じていますし、これまで経験したみなさまとの大きなつながりもまた、店を通して与えていただいた財産です。その場所を自分の手で無くしてしまうことは、まだ想像はつきません。
しかし個人として、これからも空間づくりの夢は持ち続けたいと思います。
いいものを、そしてそれを味わえる心地のいい空間。それは私にとって、これからもとても大事なことだと思います。いつか形にできるといいなと思います。

 

みなさまに出会えましたこと、当店のような小さな店に、これまで足をお運びいただきましたこと、感謝の気持ちでいっぱいです。
いままで本当に、ありがとうございました。
またお店で、またどこかで、お会いできることがあれば嬉しいです。

 

 

20174月27日
Kameli apartment
安倍 麻樹