image今年6月の買付、最後の二日間はSEENAT CERAMICSのためのフィンランド入りとなりました。この電車にのりSEENAT CERAMICSの工房に初めて向かった日のことを昨日のように思い出します。

残念ながらTerhiさんの死後、陶磁器メーカーとしてのSEENAT CERAMICSはなくなってしまうことが決まってしまいました。今後はこの場所が徐々に変わっていくことになりそうですが、しかし今すぐに工房自体が消えてしまうということはなさそうで、また訪れる機会はありそうです。すこしばかり安堵の気持ちになりました。今回も、Terhiさんの息子のJussiが本当に忙しい合間を縫って時間を作ってくださったことに感謝です。

駅から彼の車に乗り込み工房へと向かいました。車でおよそ30分。ようやく到着したと思ったとき、工房へと続く道の、切り倒された木々に愕然とする私たち。。。木を切ったという話は聞いてたようですが、彼らも頻繁に通える距離でもなく、その変化を目の当たりにして気を落とす表情が明らかでした。
しかし敷地に入ればまだ工房の姿はしっかりと残っており、彼女の気配がそこかしこに感じられ以前のあの庭の風景を頭の中に蘇らせることができました。

image大好きだった釉薬のテストピースは、変わらずに窓辺に並べられていました。今回、Jussiはこれまで私は足を踏み入れたことなかった工房の隅々まで案内してくれました。彼女の初めてのコンペティション受賞作品(エスカルゴを焼くための道具だったようです。)や、共同制作していた時代の陶器の人形の一部を見せていただいたり、さらに奥のドアを入ると驚くほどの量の素材が詰められた倉庫があったり。
彼女がどれだけ情熱をかけて作陶に情熱を捧げてきたか。そしてこれからもやり続けていきたいと強く願っていたことか。その場所に触れてみて彼女の思いがひしひしと感じられ、そして彼女の歴史をまたさらに深く知ることができた気がします。

imageもともと厩だったスタジオの2階には、古い家具や道具もたくさんありました。その倉庫には、今回持ち帰ってきたオブジェも眠っていました。彼の話では、機材や素材はすべてアーティストの仲間が買い取ってくれる予定で、工房自体は彼らの父でありTerhiさんの旦那さんが決定するということですが、今回訪れたときもそうですが、主人の亡き後の敷地内はどんどんと変わっていく様子があります。とはいえ、もう少しだけここに来るチャンスはあるかもしれないと思うだけで、心が救われます。倉庫の奥の奥から、もしかしたらまた何か発掘することができたら、それを少しずつ分けてもらうこともできそうですが、その量も、どんな作品なのかも、私もJussiも未知なことばかりでなんとも言えないというのが現状です。

この訪問では、果たして、どれくらいの作品が残っているのだろう?という期待と不安の混じりながらの買付けでした。しかし実際には期待を上回り、今までにないくらいの大きな作品、貴重な作品を持ち帰ることができました。そして今回こうして展示会としてみなさまにご覧いただけることが本当に嬉しくてなりません。

去年の2月、奇しくもTerhiさんにこの展示会の話をするために出発した旅の初日に彼女は天国へと旅立ってしまったのですが、こうしてたくさんの方々の思いと手助けのおかげで実現することができました。それも、彼女が生前に道をつけてくださっていたのだなぁと、今となってはそう思うことばかりです。

夏の暑い季節に、たくさんのお客様がKameli apartmentにお越し下さることを感謝しながら、また今週もTerhiさんの作品とともにみなさまをお迎えしたいと思っております。

 

 

 

image送迎、案内、梱包と。。8時間、つきっきりで助けてくれた二人に感謝。